★一発理解MMシリーズ★ 仕入原材料をそのまま外注先へ!「仕入先直送」の業務フローとSAPでの実現方法

ウサギ先輩!仕入先から買った原材料を、自社倉庫を通さずにそのまま外注先へ直送したい場合、SAPではどう管理すればいいんデスか…?

SAPでは、仕入先から外注先へ直接納品する形で管理できるんだ。では、実際にどのような処理になるのか見てみましょう!

目次

はじめに

製造業における外注加工(Subcontracting)プロセスでは、リードタイム短縮や輸送コスト削減を目的に、仕入先から外注先へ原材料を直接納入する「外注先直送(Direct Delivery to Subcontractor)」が頻繁に採用されます。
自社倉庫を経由する「外注先直送なし」とは異なり、現物が自社に届かないため「システム上の在庫計上タイミング」や「所有権の管理」に迷いが生じやすいポイントです。本記事では、SAP MMにおける標準的な業務フローと設定手順を解説します。

外注先直送なしと外注先直送の比較

外注先直送の場合と外注先直送なしの場合の比較イメージを見てみよう!

項目通常入庫(自社倉庫経由)仕入先直送(直送プロセス)
物の流れ仕入先 ➔ 自社倉庫 ➔ 外注先仕入先 ➔ 外注先(直送)
メリット自社での品質検品・数量確認が確実に可能輸送コスト削減、リードタイムの大幅短縮
SAP処理ステップ① 101 入庫
② 541 外注先へ振替移送
① 101(SC Vendor指定)で提供品在庫へ直接計上

例えば、仕入先から購入した材料を、
自社倉庫を経由せず外注先へ直接届けてもらう場合を考えてみよう。

自社に届かない材料を、SAPではどうやって管理するんですか?

いい質問だね!実は、PO(購買発注)の「設定」にポイントがあるんだ。次の章で、システム上の具体的な手順を見ていこう!

SAP MMにおける業務フローと設定手順

それじゃあ、実際にSAPの画面でどう操作するのか、発注から消費までの流れを順番に見ていきましょう!

1.原材料の購買発注(PO)作成(ME21N)

仕入先(部品メーカー)へ原材料を発注する際、納入先を「外注先」として指定します。

設定箇所: PO明細の「納入先(Delivery Address)」タブ
操作: 納入先住所タブに仕入先コードを入力し、「SC Supp」フラグにチェックを入れて発注をかけます。
ポイント: 購買発注の仕入先と、実際に原材料を納入する外注先を指定することができます。
仕入先(部品メーカー)へ原材料を発注する際、納入先を「外注先」として指定します。

画面例では、サプライヤ「11112(Ohayo株式会社)」から原材料を購入し、実際の納入先として「11120」を外注先(SC Supp)に指定しています。
ME21N で原材料POを保存した直後、MMBE 画面では以下のように在庫ステータスが更新されます。

購買発注残数量(On-order Stock):

  • POで発注した数量(例:100 PC)がここに計上されます。
  • これは「まだ自社にもB社(外注先)にも現物は届いていないが、仕入先A社からB社へ向かって出荷・輸送中である」という在途(PO残)の状態を表しています。

利用可能在庫(Unrestricted Use):

  • この時点では または変化なしのままです。自社倉庫には入荷しないため、自社の利用可能在庫が増えないのが正解です。

プラント / 保管場所の階層:

  • 購買発注残はプラント階層で集計されます。SC Supp フラグを立てているため、システム内部では「B社(外注先)へ届く予定の在途」として正しく紐付けられています。

なるほど!『自社の在庫には入らないけど、B社に向かっている途中の数量』としてカウントされているんですね!
じゃあ、実際にA社からB社に外装が届いた(届いたと連絡があった)ときは、どうやって入庫処理(MIGO)をすればいいんですか?

次は MIGO での 101 入庫 だね!ここでも外注直送ならではの動くパラメータがあるから、順番に見ていこう!

2.原材料入庫(MIGO)

画面操作:

  • イベント/参照伝票: A01 入庫 /R01 購買発注
  • PO番号: 先ほど作成した原材料POの番号を入力

明細チェック:

  • 「場所」タブ: プラントが正しく表示されているか確認(自社倉庫を経由しないため、保管場所の指定は不要)。
  • 「OK」にチェックを入れて「転記(Save)」します。

入庫(101)完了後の MMBE 在庫の変化

購買発注残数量:

  • 100 PC → 0(残量が消化されて消える)

利用可能在庫(自社):

  • 1600 のまま(自社倉庫には入荷していないため)

仕入先への支給品(外注在庫 / Stock provided to Vendor):

  • 100 PC (B社名義の外注在庫として新たに計上される!)

すごーい!『発注残』から消えた100個が、自社倉庫を通らずに直接B社名義の『仕入先への支給品(外注在庫)』に移動しました!
これでB社の手元に材料が無事届いたことがシステム上でもバッチリ分かりますね!

その通り!これで、B社に材料を渡すまでの前半戦はバッチリ完了だね。
……でも、カニちゃん、B社で加工が終わった後はどうするか、覚えているか?

あっ……!確かに、このままだとB社の手元に外装が残ったままになっちゃいます!
塗装が終わった後の『加工発注(外注PO)』と『完成品入庫』の処理はどうやるんですか!?

ふふふ、焦らないで。ここからが外注プロセスの後半戦!『加工発注(外注PO)の作成と完成品入庫(543消費)』の手順を続けて見ていこう!

3.加工発注(ME21N)

その前に、親品の購買情報も忘れずに登録しておこう。外注用として、実際の加工先(仕入先)を登録するのがポイントだよ!

外注加工PO(カテゴリL)作成の要点

明細カテゴリ(I):L(外注)「加工サービス+部品支給」の取引であることをシステムに伝えます。
品目:完成品コード原材料ではなく、塗装後の完成品を入力します。
プラント:自社プラント外注先ではなく、最終的に完成品を受け取る自社の倉庫/工場を指定します。
製品コンポーネント(BOM展開)明細詳細の「構成品目」ボタンを開き、直送で原材料が自動引き当てされているか確認します。

4.完成品入庫と543消費(MIGO)

次は仕上げの MIGO 処理だ!
ここで入庫を立てると、完成品が入ってくると同時に、仕入先に預けていた外注在庫(原材料)が自動で引き落とされる(543移動)んだよ!

これにより、T-CODE:MMBEにて再度原材料の在庫を確認してみると、仕入先在庫の利用可能在庫が100個消費されていることが確認できます。

これで『原材料の購入(直送)』から『外注在庫の管理』『完成品入庫と543消費』まで、システム上の在庫が全部綺麗に繋がりましたね!
さあ、次の冒険に出発だ!
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